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住宅作品展+相談会

泉州の家つくり人「住宅作品展+建築相談会」

2002年4月7日(日) 岸和田市の紀州街道にぎわい市に「住宅作品展+相談会」として参加しました。

会場は、改修された町屋・光輪庵 (岸和田市本町)の2階を貸していただきました。

ほとんどPRもできず、あまり見てもらえないだろうと思っていましたが、予想に反して

100人を超える入場者があり、しかも、たいへん熱心に作品を見ていただきました。

「この家見たことあります。気になっていたんです!」

「泉州でも設計してる人がいてるんですねぇ〜」

「こんな展示会を毎月やってくれませんか?」等々の声をいただき、

たいへんうれしかったのと同時に私たちのPR不足を痛感いたしました。

にぎわい市風景                                                              光輪庵入口

 

                                                                             作品展示者  北野  中村  岸上  木内  


 

「いえをつくろう」ワークショップ

■「いえをつくろう」  新条小学校

2002年3月2日(土) 岸和田市立新条小学校の児童約60人を対象に建築塾を開催しました

「山の民」「水辺の民」「農耕の民」に分かれ、それぞれの地形を活かした家を創意工夫してつくりました。

讀賣新聞 2002年3月3日  より

   

   

   

ワークショップの舞台となった新条広場は約1年半かけてつくってきた手づくりの広場です。

小学校に隣接した大阪府所有の土地を提供していただき、伊藤校長のもと先生・保護者・

地域の人々がボランティアで作業を続けてきました。ビオトープを中心とした自然とふれあい・

自然から学ぶことができる場をつくることが目的です。

ワークショップの後、3月16日には植樹も終わり、池の水も満ちてきました。

この夏にはトンボがたくさん飛翔し、徐々に自然の森に近づいていくことでしょう。

「企画趣旨文」より 

いずみ野建築塾

「いえをつくろう」

原始人に負けるな! 知恵をしぼっていえづくり 

太古のシェルターとしての家の時代から、長く家は自分たちでつくるものでした。職人というつくり手が現れてからも、つい最近まではその過程がみえていたので、少なくとも意識の上では家は「つくる」ものででした。それが近年、社会の工業化・専門化・商業化が進み、つくる過程はブラックボックス化し、家も「買う」ものという意識が浸透しつつあります。

つくる過程で織り込まれるべき個々の条件、家族の関係や社会との間の取り方を考えることが抜け落ちていることが、今の社会や人間関係の希薄さに拍車をかけているのではないでしょうか。

私たち地域の建築士の団体である大阪府建築士会「いずみ野」では、一般の市民の方に利便性や経済性だけでは量れない、ものをつくる思考や空間を創造する喜びを伝えることも大切な役割だと考えています。

今回、岸和田市立新条小学校の高学年児童を対象に家づくりのワークショップを行います。地域の人々により手作りで整備された新条広場で、山・池・畑等の地形にあった原初的な家を、児童に創意工夫させ建築的スケールでつくらせます。材料は竹・丸太・縄等自然素材を用意し、鋸を使って切ったり、竹を割るところから始めます。

日時:3月2日(土) 午後1時30分〜5時

    (雨天の場合は3月9日に順延)

場所:岸和田市立新条小学校・新条広場

 


 

まちなみウォッチング

■紀州街道ウォッチング

2001年7月11日(土) 紀州街道の岸和田城下町附近 近世の街並みがよく保存

されている地区を郷土史家・玉谷哲先生の説明を受けながら散策しました

「掲載文」より

平成13年度建築士の日記念事業

建築士の会いずみ野

「紀州街道ウォッチング」

 岸和田藩領の城下町ができたのは、今から約400年前の豊臣秀吉の時代である。大坂から和歌山に通じる紀州街道に沿って武家屋敷や商家の屋敷、寺院が建ち並び、低い軒の水平ラインと格子がまちなみを形成していた。

 今回ウォッチングしたのは、紀州街道の岸和田城付近約2kmで、南から北へ城下町を歩ききったことになる。街道で城に最も近い本町地区は岸和田市のまちなみ保全地区に指定され、助成金がでることもあり、近世の街並みがよく保存されている。しかしながら、保全地区を一歩出ると、歴史のある建物は点在し過去からの時間を繋ぎ留めているものの、その数は急速に減少しつつある。

 そのような状況の中で、今回は三軒の町屋を詳細に見ることとした。一つは二百前からの姿を留め、今も住宅として使用されている町屋。そして、昨年リニューアルされ、外観は歴史的まちなみを再現し、内部はサロン的に利用されている建物。最後に、伝統的形態は用いていないが、通り庭や吹抜け、トップライト等の町屋の構成を用いながら、まちなみに配慮したコンクリート打ち放しの現代住宅である。

 当日(7/11)は、スタッフを含め43名が参加し、その中には小学生を含む一般の方や、建築の学生も多く含まれていた。まず、「まちづくりの館」で郷土史家・玉谷哲氏による城下町の歴史についての講演を聞き、その後、氏の説明を受けながら街道を全員でウォッチングした。当時は街道から西は海であり、城下町を「町」、それより西を「浜」、それら以外を「村」という今も祭礼の際には用いられる名称の謂れなどを教わりながら、随所でスタッフも説明に加わり、小学生に竈や井戸の使い方を教えたり、学生に箱階段の説明をしたり、設計者がコンセプトを語ったりと一般参加者とコンタクトをとることができた。

 天性寺(通称蛸地蔵)を出発し本町のまちなみや城壁跡、近世から近代、現代の建築を観ながら約2時間炎天下にもかかわらずほぼ全員が最後まで歩ききった。

 市民参加型事業を目指した今回の記念事業を通じて、一般市民の方が歴史のあるまちなみや、先人達から受け継がれた建物の良さを体験し、また、保存やリニューアル、建替え等の実例を見ることによって、まちや建築について興味を持つきっかけになるとともに、それを考え・つくる際のパートナーとしての建築士の存在をアピールできたという手応えも感じられ、一定の成果はあったといえる。

 そして、これらを社会に広く浸透させ、本当の成果に結びつけるために、今後も、これらの事業を継続していくことが大切である。

 建築士の会「いずみ野」では年数回の見学会・講習会に加え、現代の消費的思考からものづくりの姿勢をを取り戻すため継続的に活動していくことを決め、来年は、子供向けのワークショップを企画している。

    木内一徳/建築士の会 いずみ野