◆シニアサロン平成16年度第1回例会
仏像彫刻のお話
講師/水戸岡 伯翠 (仏師)
とき/7月21日(水)13:30〜15:30
会場/(財)大阪建築防災センター会議室(トレンザビル4階)
参加費/500円 (当日微収 資料代等)
CPD/2単位
参加/26名
・内容(レポート)
仏像を彫るということは、仏の心を彫るということであり、この心がなければ、単なる彫刻であるということから、この仏の意味を中心に話が展開しました。「仏の世界」とは、曼陀羅界といい、表も裏もない世界で一対である。それに対し、現世は、相対する世界で善もあれば悪もある。したがって、仏の教えは和をもって尊しと説くものであるとの事。仏像を彫ると不思議と自分に似るので、自分の有り様を気づかせてくれるし、逆に仏の心にならないと仏を彫ることはできないとの説明がありました。また仏とはお釈迦様イコール如来のことでその弟子が菩薩(慈悲深い)その次が明王(救われない心・怖い形相)天部(教えを護っていく)僧(肖像)という順番で涅槃仏・座っている仏・立っている仏があるのはその違いで仏像を彫るのは最初は立像からはじめるとの話がありました。また、仏に至るまでに十界(心の十地)というものが有り六道輪廻(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)を経て、声聞(解脱)し、縁覚・菩薩・仏となるといったお話や仏像には手足に水掻きがあるとか(手足縵網相)足はべた足(足安平相)であるなど仏像の特徴など興味深いお話もあり、これからお寺へ行った時などまた違った意味で仏像を見る事ができるし、その時の自分の心のありようなど、今まで漠然と見ていた仏像をじっくりと見ることができそうでまた一つ楽しみが増えた1日でした。
(水谷 敢)
講師/水戸岡 伯翠 (仏師)