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				第66回 応募詳細ご案内
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主催 : 公益社団法人大阪府建築士会 / 後援 : 大阪府
「大阪建築コンクール」の趣旨
					建築士はその職責を通じて地域社会の発展に寄与し、建築美を通じて建築文化の向上、ひいては地域文化の振興にも寄与していく必要があり、その責務は重大である。
					
大阪建築コンクールは、建築士と社会とのかかわりを通じて建築作品を評価し、その優れた実績をたたえ、建築作品の設計者である大阪府建築士会正会員または大阪府在住もしくは在勤の設計者を表彰する。同時に行う渡辺節賞については、新しい建築文化の原動力となる若い優れた設計者をたたえ、さらなる発展を望むものである。
					
募集範囲
					2016 年1 月1 日から2021 年12 月31 日の間に竣工し、完了検査済証の交付を受けた建築物
					
*建築確認申請不要物件は完了検査済証不要
					
*竣工年月日は工事完了時
					
審査委員会
| 委員長 | 長坂 大(京都工芸繊維大学教授) | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 委 員 ※50音順 | 
 | 
受賞作品紹介
●大阪府知事賞部門
| 賞 | 受賞 | 設計者 | 
|---|---|---|
| 大阪府知事賞 | 富田のコートハウス | 大西憲司(大西憲司設計工房) | 
| 大丸心斎橋店本館 | 岡田泰典・児玉謙・木村秀男(株式会社日建設計) 松本伸洋・池田猛・戸田忠秀・木全瑛二(株式会社竹中工務店) | |
| 三栄建設 鉄構事業本部新事務所 | 瀨山充博・小幡剛也・田中盛志・大野正人・内山元希・世利公一・小玉直史(株式会社竹中工務店) | 
●渡辺節賞部門
| 賞 | 受賞 | 設計者 | 
|---|---|---|
| 渡辺節賞 | みんか2020 | 興津俊宏 | 
| 台地のFORTE | 佐藤達保 | |
| 奨励賞 | 該当作品なし | - | 
審査経過並びに総評
					
審査委員長 : 長坂 大
今年も新型コロナウィルス感染中での審査となり、一次審査はオンライン形式としたが、二次審査は現地審査を行なって入選作を決定した。応募数は「大阪府知事賞」34 点、「渡辺節賞」11 点であった。
2 月14 日の一次審査で、現地審査対象作品を、それぞれ9 点と4 点選抜し、3月4 日と10 日の2 日間で現地審査を行った。現地審査終了後の最終審査会にて、知事賞対象作品3 点、渡辺節賞対象作品2 点を決定した。今年は現地を見たいと思う作品が多く、全体的に好印象であったが、その一方で作品評価は拮抗してい
て、優秀案を決定するには十分な議論が必要であった。
 「三栄建設鉄構事業本部新事務所」は、現地を見た後審査委員の印象が好転した作品である。ダイナミックな空間構成と構造の積極的な試みが、ゆったりしたスケールで実現しており、鉄骨加工業を営む事業主の技術的可能性を試みる場として素直に受け入れられる。広い工場敷地全体に対する90m のファサードにも配置計画的な説得力がある。「富田のコートハウス」は密集市街地の旗竿敷地を、コートハウスの手法を用いて豊かな居住空間とした作品である。洗練された細部による、多様な屋内と庭の関係が見られ、設計者の工夫によって敷地条件が好転することをよく示している。「大丸心斎橋店本館」は、旧本館のファサードを高度な技術を駆使して保存し、新しいボリュームとともに再生させた作品である。保存再生のために割かれた社会的、経済的、技術的エネルギーに敬意を表したい。「台地のFORTE」は、擁壁を契機としたアイデアが明快な作品である。台地内に相当する1 階と、開けた眺望を生かした2 階とのコントラストが魅力的な住宅となっている。「みんか2020」は、考え抜かれた断面構成に特徴がある。外観からは単純に見える内部空間に、様々な高さの床が設定され、小さな住宅ながら居住者の多様な活動が期待できる。
 以下、現地審査をした中で惜しくも入選に至らなかった作品について記しておくことにする。「ACADEMIC-ARK@OTEMON GAKUIN UNIVERSITY」は、これだけの規模の大学施設を、特徴的な物体としてまとめきった設計者の力量を十分評価したい。しかし、学生や教職員が長時間過ごす屋内空間としてはやはり全体的に単調だと思う。明快な「全体」を損なわない多様な「部分」が必要であろう。「ユニソン大阪事業所」は、コミュニティースペースの空間に好感を持った。建材メーカーである建主の製品をふんだんに用いた内外の床材構成も、商品陳列の域を超えて楽しい空間造形となっている。ただ、中庭まわりの事務室・コミュニティースペース・休憩室の構成にはもう少し提案がありそうに思った。
「京都府茶業研究所」は、すっきりとした中庭型プランとシンプルな立面が周囲の自然と美しいコントラストを描いていて好感が持てる。しかし、その中庭の使い方や見え方について、より踏み込んだ提案が必要だと感じた。また背後の茶畑との関係についても積極的な提案があり得たように思う。「イチネングループ本社ビル」は、天空率を意識して生まれた断面構成に魅力のある作品である。セットバック替え階の7 階屋上庭園は、社員や来客のための快適な空間となっていて、オフィスビルの優れた事例となっている。ただ、ファサードを決定づける特注ルーバーが、近隣マンションとの視線関係を解決する遮蔽スクリーンとして利用者に満足されておらず、すべての階でブラインドを下げた状態となっていたのは大変残念であった。建築のファサード、窓、人々の眺望、視線のコミュニケーション。建築の表層のありかたは、建築の本質的話題だと思う。「タクマビル新館(研修センター)」は、木造架構への取り組みの姿勢が明快で、ダブルスキンの立面もすっきりとまとめられている。ただ、木を使った構造と素材がテーマであるからには、コアまわりに化粧としてCLTパネルを使うのは避け、コアの構造が新しいインテリアの契機とならなかっただろうか。「日本圧着端子製造 大阪技術センター別館」は、ユニークな形の増殖可能なユニット魅力的で、施工条件の制約に対する構法的な解決案としても優れていた。ただ、研究施設として利用状況と内部空間の大きさの関係にはやや無理があるように思われた。
 この審査期間中、ロシアのウクライナ侵攻は激しさを増していた。私たちが建築や都市の可能性について語り、日常生活の豊かさについて議論している時に、ウクライナでは建築や都市が破壊され、人々の日常が、命が奪われ続けていた。建築は人を殺すためではなく、幸福にするためにつくられるものだ。平和な場所では、日常生活の豊かさを追求し、建築を通して多様な試みが可能であることを痛感した。建築は人間の生存に関わるものであることを忘れてはならないし、同時に人々の日常を彩るものであってほしいとつくづく思う。
| 令和5年度 | 第66回大阪建築コンクール入賞発表 | 
|---|---|
| 令和4年度 | 第65回大阪建築コンクール入賞発表 | 
| 令和3年度 | 第64回大阪建築コンクール入賞発表 | 
| 平成30年度 | 第63回大阪建築コンクール入賞発表 | 
| 平成29年度 | 第62回大阪建築コンクール入賞発表 | 
| 平成28年度 | 第61回大阪建築コンクール入賞発表 | 
| 平成27年度 | 第60回大阪建築コンクール入賞発表 | 
| 平成25年度 | 第59回大阪建築コンクール入賞発表 | 
| 平成24年度 | 第58回大阪建築コンクール入賞発表 | 
| 平成23年度 | 第57回大阪建築コンクール入賞発表 | 
| 平成22年度 | 第56回大阪建築コンクール入賞発表 | 
| 株式会社IAO 竹田設計 | 岸下 和代 | 濵田 徹 | 
| あけぼの住研有限会社 | 岸下 秀一 | 株式会社原田彰建築設計事務所 | 
| ATELIER-ASH | 岸下 真理 | 株式会社ピアレックス・テクノロジーズ | 
| 株式会社アトリエ天藤 | 木原千利設計工房 | 藤田 忍 | 
| 生山 雅英 | 越井木材工業株式会社 | 水谷 敢 | 
| 今井 俊夫 | 榊原 節子 | 株式会社三菱地所設計 | 
| 株式会社インターオフィス | 修成建設専門学校 | 森村 政悦 | 
| 上田 茂久 | 須部 恭浩 | 山城 健児 | 
| 岡﨑 雅 | 田中 義久 | 横田 友行 | 
| 岡本 森廣 | 辻井 光憲 | 芳村 隆史 | 
| 織部製陶株式会社 | 株式会社徳岡設計 | 米井 寛 | 
| 有限会社家倶家 | 中島 薫 | 株式会社ライト・ストリート総合計画 | 
| 岸下 愛子 | 株式会社ノザワ関西支店 | 竹原 義二 | 
| 中嶋 節子 | 大阪府住宅まちづくり部 堤 勇二 | 森田一弥建築設計事務所 | 
| 金森 秀治郎 | 越智 正一 | 樫永一男建築研究所 | 
| 都窯業株式会社 河原輝雄 | 長谷川 総一 | 












 
				
				






















